手芸品店や手芸本でよく目にする「ちりめん」という言葉。実のところ、何を指してそう呼ぶのかよく分かっていないけれど、恥ずかしくて聞けないと悩んではいませんか?、私は長いことそう思っていました。そこで「ちりめん」について分かりやすく解説します。

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縮緬(ちりめん)とは?

ちりめんとは、糸がうねうねと波打っている生地のこと。あのうねうねは「しぼ」と呼びます。なぜあのような「うねうね」ができるのかというと、生地を織る前の糸に「撚り(より)」をかけているから。

撚りとは「うねり」のことで、経糸(たていと)には撚りのないまっすぐな糸を使い、緯糸(よこいと)に撚りのある糸を使うことで、あのようにきれいな「うねり」が作れます。

小さくカットされたいろんな色のちりめん生地が、フェルト布と同じようにコーナーを作って売られているのを、手芸品店で一度は見たことがあるかと思います。ちりめん生地には不思議な気品があって、見ているだけドキドキしますよね。

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縮緬(ちりめん)に種類はある?

ちりめんには大きく分けて以下の4つの種類があります。

・一越(ひとこし)ちりめん
・二越(ふたこし)ちりめん、または古代ちりめん
・紋衣装(もんいしょう)ちりめん
・縫い取りちりめん

これは手芸用語というより着物の生地の分類で、手芸品店で「ちりめん」と言って売られているのは、主に「古代ちりめん(二越ちりめん)」です。

一越ちりめんはうねりがとても小さく、パッと見ただけでは縮緬かどうかすぐには分からないほどうねりが細かいです。そして、うねりが細かいほどやわらかくて艶やかです。

一方の古代ちりめんは、一目でちりめんと分かるほど大きなうねりがあります。ふっくらとしたボリュームがあるのが古代ちりめんの大きな特徴。

紋衣装ちりめんは、生地にうねりだけじゃなく地紋が織り込まれているもの。手間がかかっているだけあって、艶やかで高級感があります。そして縫い取りちりめんは、生地に金糸や銀糸を織り込んで模様が表現されているもの。礼装用の着物の生地によく見られます。

縮緬(ちりめん)は洗うと縮むの?

着物は水洗いすると縮むというイメージが強いですが、あれは絹のちりめん生地が縮みやすいからです。着物でも撚りのない紬生地は水洗いしてもあまり縮みません。

また「ちりめん生地」でも正絹ではなくポリエステルなどの化繊素材なら、ほとんど縮みません。化繊でも組成によっては縮むという話をたまに耳にしますが、私は化繊のちりめんを水洗いして縮んだことはまだありません。

絹のちりめん生地は残念なくらい派手に縮みます。以前、ネットショップで「洗える正絹の長襦袢」を買ったのですが、着丈は10cmも縮みました。

「これを洗えると言っていいのか?」と驚きましたが、縮んだのは最初に洗ったときだけ。着丈が長すぎて10cmほど縫い上げていたので、ほどいたらいい具合にピッタリサイズになりました。その後、恐る恐るもう一度洗ってみたら縮まなかったんで、安心して洗濯機でじゃぶじゃぶ洗っています。

つまり、着物をリメイクに使うときは、洗濯したいちりめん生地は一度水洗いして縮ませてから縫うようにすれば、次に洗うときはほとんど縮まないはずです。